2016年3月11日金曜日

津波から5年

忘れたわけではないけれど、
だんだんいつのことかわからなくなってくる。
今と昔がごちゃごちゃに。

町ごと流され、両親と祖母が亡くなって5年が経つ。
早いな。

朝の番組で、リポーターがわたしの町から中継していた。
お義母さんに教えた。
「あのガソリンスタンドの近くが我が家です」
お義母さんは息子に教えていた。
「あれがお母さんの生まれたところ」
息子は、テレビではなくお義母さんを見つめてた。


津波がすべてをさらっていった。
処理に翻弄され、感情を隠して、やっと呼吸していた。
毎月岩手に帰っていた。

自分よりも苦しい人、悲しんでいる人はいる。
東京にいた自分は、被災者と名乗っていいのだろうか。
人に囲まれていても、違う世界にいるみたいだった。
肌はボロボロだった。
よく授業していたと思う。

生かされているから生きなければ。
自分を大切にしようと思えるのに1年。

人に心の中まで話せるようになるのに3年。

「わたしはさびしい」と気付くのに4年。
そう、そんなにかかった。

そうしたら、大きな変化が起きた。
友人と付き合うことになり、結婚することになり、息子が生まれた。
新潟にいる。
今、しあわせいっぱい。

息子、父ちゃん母ちゃんに抱っこしてもらいたかったな。
それだけ心残り。
でも、いつも見守ってくれているものね。

ありがとうね。
今までも、これからも。

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